その生徒会、取扱注意につき!


「あら安田先生、お疲れ様。黒涼祭の方の準備が気になってね〜。今年は、西藤さんもいることだし可能であれば、ぜひ白浪女学院の生徒の方々もお呼びできるようにしたいのよ。そこで仲良くなれば、黒涼高校の株もうなぎ登りだし、統合も上手くいく!まさに一石二鳥よね〜」

ふふっと可愛らしい笑みを浮かべ、小首を傾げる美千子理事長に対して、私はギョッと目を見張る。

白浪女学院の生徒を呼ぶ?
いったいどういうこと……??

全く聞き覚えのない計画に私が頭にハテナマークを浮かべる始末。

「は、はい。生徒会とも連携して、できる限り迅速に準備をしております。しかし、体育科の件もまだありますので……。白浪女学院の生徒さんを呼ぶというのは、まだ時期尚早かとも思うのですが……」

そんな私を尻目に、安田先生は理事長に向かってそんな報告を始めた。

しかも、なぜかチラリと私を横目で見つめ、不安げな表情を浮かべている。

「わかったわ。とりあえず白浪女学院の皆さんを呼ぶかどうかについてはギリギリまで思案しましょう。こちらとしても大事な友達の学校の生徒さんに危害を加えるわけにはいかないもの」

安田先生の言葉にコクリと頷いた美千子理事長は「それじゃ、準備はおこたらないようにね」と最後に声をかけ、職員室をあとにする。

私もそんな理事長の背中を追いかけるように、「しつれいしました……!」と安田先生に会釈をし、慌てて職員室を飛び出したのだった。