その生徒会、取扱注意につき!

「う、うん……」

伊緒くんに促され、素直に席を立った私に合わせるように、有紗と美心もゆっくり重い腰をあげた。

そんな彼女たちの様子を見て、私は近くにいた琥太郎くんにソっと目配せする。

"これ以上、2人を巻き込みたくない"

そんな私の気持ちを察知してくれたのか……。

琥太郎くんは「2人とも先に外、出ときましょうか」と優しく声をかけ、有紗と美心を連れ立って店の外へと出てくれた。

そんな光景を横目に私はホッと胸をなでおろす。

あとは……。

「あの、心葉さん?」

ピクッ。

先程からうつむいて佇んでいる彼女。
声をかけられ、ピクリと肩が揺れたのを私は見逃さなかった。

「よかったら途中まで一緒に帰らない?」

「え……」

そう声をかけた私を驚いたように見つめる彼女と視線がからむ。

だって、今の状況で南翔くんと2人きりにして置いて帰れないよ。

一瞬、彼女の瞳がゆらゆらと揺れた。
それはまるで、何か迷っているような不安げな表情で。
私は思わず小さく息を呑む。

その時だった。

「心葉、立栞たちと一緒に帰る?」

今まで黙っていた南翔くんが、ニコリと笑顔をうかべながら心葉さんに声をかけた。

「ううん……。心葉、南翔と一緒にいる」