美心の悲痛な叫びはもっともだった。
彼女がを含め、白浪女学院を受験した女子生徒の理由の1つに"男子が苦手"というものがある。
私が把握しているだけでも、複数人おり、おそらく学園中で調査をすればかなりの割合がいるに違いなかった。
「理事長、古川さんの言う通りです。いくら何でも性急すぎます!統合なんて重要な話、もっとしっかり話を進めないと学院全体が混乱します!」
私もピシャリとそう言い放ち、美心に同意するように頷く。
「え〜、そうかしら?私としては共学になれば、男子とお近づきになれるからいいのかなって。それに、恋愛も青春の醍醐味じゃない?楽しくなると思ったのにな〜。峰はどう思う?」
「……私には、判断いたしかねます」
「もう。相変わらずあなたは真面目ね〜。こういう時くらい本心を言ってくれないと参考にならないじゃない。でも、まぁ、そうね〜。あなた達が言うことも一理あるわ」
「うーん」と考え込むように腕を組んだ理事長。
しばらく首をひねっていたが……。
「そうだわ!西藤さん達が心配してるのは、学院の秩序でしょう?よく知らない学校と統合したくない気持ちは私もわかるし。それなら、まずお互いトレード留学してみるのはどう?」



