その生徒会、取扱注意につき!


きっと、琥太郎くんあたりがなかなか来ない私を心配して、呼びに来たのだろうと思っていたのだけれど……。

えっと、誰……?

そこに立っていたのは、見たことがない人物。

肩まである銀髪をハーフアップにした青年。
顔立ちはかなり中性的で、陶器のような綺麗な肌にキリッとした切れ長の瞳が印象的。
手足もモデルのようにスラッと長く、まるで芸能人のようだ。

制服はネクタイもせず、学校指定のシャツに灰色のセーターを着用しているが、シャツは第2ボタンくらいまで開けており、どことなく危うい雰囲気を漂わせている。

「あれ?千歳いないの?」

キョロキョロと教室内を見回す彼に「千歳たちは生徒会室の方にいると思いますけど……」と私が遠慮がちに声をかけた瞬間。

「そうなんだ。で、キミは誰かな?はじめましてだよね」

スッと目を細め、私を見据える彼になぜか少し感じたのは「怖い」という感情だった。

「1週間前からトレード留学で黒涼高校に通っている、白浪女学院の西藤立栞です」

そう冷静に答えながらも、たらりと冷や汗が頬を伝う。