「うふふ〜。彩也子が言ってた通り、とっても可愛い子ね〜。ねぇ、西藤さん、ロリータファッションとか興味ない?あなただったらクラッシクロリータとか似合いそうだわ〜。今度、ぜひ着て見せてね♡」

「は、はい…。機会がありましたら…」

上品に微笑む彼女に向かって、私は苦笑いを浮かべつつ、当たり障りない返答をする。

「理事長、そしたら今日から彼女は俺達と同じ特進科ということで」

「えぇ。是沢くん、彼女のお世話よろしくね?私の親友の学校の生徒さんなんだから優しくしてあげて。それに来年には同じ学校になる予定なんだから。まぁ、あなたのことだから心配はしてないわ。それより…史緒」

千歳から視線を移し、後ろの方に立っていた史緒くんに声をかける理事長。

「なんだよ、おばさん…」

そして、若干けんか腰の史緒くん。

「もう!"おばさん"じゃなくて"美千子さん"って呼びなさいって言ってるのに…!」

ぷくっと頬を膨らませる美千子理事長に私は目をパチパチとしばたたかせた。

おばさん?そういえば、さっき『城月』って…。

「美千子さん、史緒のことは心配しないでいいよ。俺からも改めて言っておくから」

「ふふ。伊緒は頼りになるわ〜。よろしくね♡」