美心にいたっては、今にも泣き出しそうで、大きな瞳をウルウルと潤ませていた。

「有紗、美心いい?とりあえず落ち着いて。まずは状況把握が第一よ!理事長からきちんと話を聞かなくちゃ、でしょう?」

「うん。そうよね」

「はい…!立栞会長の言う通りです」

私の言葉に素直に頷いた2人は、お互い顔を見合わせる。

理事長が私達、生徒会メンバーを呼んだってことは何か意図があるはず。
それに、私は理事長に何を言われても、白浪女学院生徒会長としての責務を全うするわ。

心の中でそう決心した私は改めて自分に誓う。

その後、足早に廊下を進むと、ようやく目的の理事長室が見えてきた。

【理事長室】のプレートを見据え、扉の前に立った私は、有紗と美心に目配せをする。

彼女達も、心の準備ができたようでコクリと小さく頷いた。

ー…コンコン。

「理事長失礼します、西藤です。先ほどの放送でお呼び出しがあったので参りました」

緊張で若干声が固くなる私に対して「あ…!西藤さん来たのね〜。入っちゃって?」と、なんとも軽い理事長の声。