「ほーんと。白浪のお嬢様って頭の中お花畑。俺らとは価値観違いすぎだわ。ねぇ。やっぱり今からでも理事長に直談判して統合の話なくせないわけ?俺、全然仲良くできる気がしないんだけど〜」
べぇーと、形の良い舌を出し、綺麗な顔を歪める彼に私は内心ピクリと反応を示す。
やっぱり、史緒くんは今回の白浪と黒涼の統合についてよく思ってないんだ……!
良い情報をゲットしたと、ほくそ笑む私をよそに。
「史緒、その話はもう何回もしただろ?」
冷静に諌めるのは兄の伊緒くんだ。
「でも、伊緒……!俺は……」
「史緒」
「……っ。わかったよ。もういい」
伊緒くんから嗜められ、史緒くんはぷいっとそっぽを向き、不満そうに頬を膨らませている。
若干、険悪な雰囲気になってしまったが、どうやらこの兄弟、力関係は兄の伊緒くんが強いことが判明した。
まぁ、伊緒くんが副会長だしその辺りも関係しているのだろうか?
「ちょっと……!伊緒先輩、そのくらいでやめてくださいよ〜!史緒先輩って伊緒先輩から冷たくされると、不機嫌になって、俺に八つ当たりするんですから」



