「副会長の城月伊緒です」

「会計の榊琥太郎ですっ!」

千歳に続き、他の生徒会メンバーも次々と理事長に挨拶をしていた。

さっきまでわちゃわちゃ喧嘩していたとは思えないほどの変わり身の速さに私は舌を巻く。

特に、史緒くんなんて「はじめまして〜。白浪理事長。書紀の城月史緒です」なんて、可愛らしく小首を傾げて、挨拶をしているものだからつい苦笑いを浮かべてしまった。

「まぁまぁ。皆さんよく来てくれたわね。わざわざ、白浪女学院までご足労ありがとう。さ、西藤さん準備はいいかしら?早速、今から黒涼高校に行ってもらうんだけど〜そ・こ・で!はい、こちら私と美千子からのプレゼントでーす」

高らかに白浪理事長が手を指した方向に、つられて顔を向けると、秘書の峰さんが、制服を着たマネキンをいそいそと運んでいる姿が目に飛び込んでくる。

「気が早いとは思ったんだけどね〜。つい思いついて作っちゃったの。とりあえず、西藤さんと黒涼高校生徒会の皆さんの分だけなんだけど〜。どう?可愛いでしょ?」

てへっと、可愛らしいリアクションで私達を見つめる理事長に私は開いた口が塞がらなかった。