すると。
バシッ。
「……いった!史緒先輩ひどい。なにも叩かなくていいじゃないですか〜」
金髪の彼にバシッと強めに頭をはたかれ、涙目になる琥太郎くんは「暴力反対!」と千歳の背後にサッと隠れた。
「お前はもう少し声のボリューム下げろっていつも言ってんだろ。本当にキャンキャンうるさいんだから」
「史緒、落ち着け。話が進まないから」
「伊緒〜。でも、琥太郎が……」
そう嗜められ、金髪の彼はプクッと可愛らしく頬を膨らませている。
「可愛い顔してもダメ。自分と似た顔で可愛くされてもキモいだけだし」
「伊緒ひどーい。こんなに可愛い弟にキモいとか。マジ、ないわ」
本当に何なの……?この人たちは。
言い争っている彼等をしばらく眺めていた私だったが。
「あの!結局、あなた達は何をしにここへ?」
意を決して、窓側に立つ4人に向かって声をかけた。
だって、このままじゃ埒があかない。
私だって授業があるから教室に戻らないといけないのに。
「は?誰、あの女……?千歳、もしかしてアイツが例のトレード相手?」
先ほどまでの可愛らしい態度から一変、ジトッとした視線を送ってきたのは金髪の史緒と呼ばれている彼。



