「それで見つけたんですか?白浪の生徒会長さん」
え、私……?
「あぁ、見つけたよ。ほらそこにいる」
千歳のそんな言葉に、琥太郎と呼ばれた彼はようやく私の方へ視線を移す。
「……ッ」
「……?」
パチッと視線が絡んだ瞬間、彼は大きく目を見開いて、固まった。
「え……!あの人!?めっちゃ可愛いじゃないですか!はじめまして。黒涼高校1年の榊琥太郎です。気軽に"琥太郎"って呼んでください」
「えと。はじめまして……。2年の西藤立栞です。じゃあ……琥太郎くんで」
「はい!立栞先輩!よろしくお願いします」
満面の笑みで初めて会う私を"先輩"と呼んでくれる彼に向かって。
なんだか犬みたいな子だなぁ……。
心なしか背後に尻尾が見えるような。
と苦笑いを浮かべてしまった。
「そういえば、伊緒と史緒は?」
「お二人はもうすぐ来るかと……あ!ほら来ました。史緒先輩〜!伊緒先輩〜!こっちですよ!」
千歳の問いに素直に答えた琥太郎くんは、生徒会室の窓からキョロキョロと辺りを見回し、誰かに向かって元気よくブンブンと手を振っている。



