ガシャリ。
体育科の生徒の一人が金網に足をかけている様子が目に入り、私はつい慌ててしまう。
せっかく心葉さんに助けてもらって、ここまで来たのに今、捕まるわけには行かない。
そう思って、急いでフェンスを降りようと向こう側に足をおろす。
上ってみて気がついたが、ちょうどフェンス高さは、2階のベランダと高さがほぼ同じだ。
距離は、そこまで遠くない。
意外とジャンプしたら届くんじゃない?
なんて、思ってしまうほどには近い距離だ。
もし万が一、失敗したとしても下は草むらだし、受け身を取れば死にはしないだろう。
と、考えを巡らせる。
「おい!女!そこ動くんじゃねーぞ」
「っ……」
ガシャガシャと、一人考えている間にも追手はどんどん迫ってくる。
もう、ここはいちかばちかやってみるしかない!
ようやく腹をくくった私は、フェンスの頂上で危なげなく立ち上がった。
そして、
「お、おい!お前何してんだ!?」
「アイツ何する気だよ!?」
と、ギョッとする体育科の生徒たちを尻目に勢いよく「えいっ!」とジャンプをし、2階のベランダに向かって思い切り手を伸ばした。



