しかも旧校舎と本校舎をへだてるそのフェンスは、かなり長い距離で続いていた。
おそらくどこかに通り抜けられる場所があるのだろうが、探すのに時間をくいそうだ。
急いで千歳達のもとへ向かわないといけないのに、こんな所で足止めを食うわけには行かない。
「……しょうがない。行くしかないよね」
ポツリと呟いた私は、目の前の金網をがシャリと握り締め、ゆっくりとフェンスに足をかけた。
ガシャ、ガシャ。
古びたフェンスをのぼるたびに金属音が鳴り響く。
所々、金具が飛び出している部分もあるようでケガをしないよう慎重にのぼった。
それにしても、今日は男装で執事服を着ていてよかったと改めて思う。
だっえ、スカートだったらこんな風にフェンスをこえられないもんね。
もうちょっと、あと少し……。
ようやくフェンスの頂上までやって来てきた私。
あとはここを降りるだけね。
そう思って、ひと息ついた時だった。
「おい!あそこ、特進科の女が逃げてるじゃねーか」
「見張りはどうしたんだよ!っち、早く捕まえろ!!」
「……っ」
背後から聞こえてきた大きな声に思わずビクッと肩が揺れる。
恐る恐る下を見ると、体育科の生徒らしき数名が私の姿に気づき、慌てて追ってこようとしている姿が見えた。



