「ふっ、今年の売り上げトップはもらったな」
裏に戻ってきて、休憩をとる史緒くんはニヤリとほくそ笑んでいる。
「さっすが史緒先輩……!クレープいくら焼いてもおっつかないです!つか、申し訳ないんですけどマジで人手足りないんで、客いれるのストップしてほしいんすけど……」
せっかく可愛い格好をしているのにほぼ裏方に回っている琥太郎くんが手際よくクレープ生地を焼き上げている。
が、あまりの客の多さにさすがの彼もキャパオーバーのようだ。
「わ、私も手伝うよ!」
「立栞先輩、ありがとうございます……!それじゃ、チョコバナナとフルーツ、キャラメルナッツのトッピングお願いできますか?それが、終わったら生クリームと……」
慌てて手伝いを申し出た私。
そして、その後、有紗たち白浪女学院メンバーが到着するまでは、ひたすらクレープ作りに全力で取り組んでいたのだった――。
「クレープもすっごく美味しかったです、会長!」
「それはよかった。結構、試作品の段階で色々研究したからなぁ」
琥太郎くんと色々相談して作ったクレープだったから喜びもひとしおだ。
それに、クレープが美味しいと言うウワサを聞いた黒涼の教師陣まで買いに来てくれたのだから、大成功と言えるだろう。



