「おはよ。きらり、ワンギリするなよー」
電話先の彼は笑っているけれど、今、私は笑える気分ではない。
「林太郎って御曹司だったんだね。何で、ファーストフードとか食べてたの? ロブスターやうにとか食べなよ。御曹司っぽくないよ」
私は彼が御曹司だと知っていたら、畏まってしまって仲良くははなれなかったとは思う。
若い彼に社会人としての心得を説いたり、偉そうにしていたが彼は世界のトップ大学でビジネスを学んだ人だった⋯⋯。
彼とのやり取りを思い出せば思い出す程、恥ずかしい。
「ロブスターとか、うにがきらりは好きなの? じゃあ、今度一緒に食べに行こうよ」
朝から元気に笑って返してくる彼は、ことの重大さを理解しているのだろうか。
「うに丼は確かに好きだけど、ロブスターは食べたことがない。そうじゃなくて、もう林太郎とは会えないに決まってるでしょ。私はアイドルなんだよ」
私はとても恥ずかしいが、彼に訴えた。
私は三十路だが、アイドルだ。
当然、ファンのみんなが恋人で特定の人と疑われるようなことをしてはいけない。
電話先の彼は笑っているけれど、今、私は笑える気分ではない。
「林太郎って御曹司だったんだね。何で、ファーストフードとか食べてたの? ロブスターやうにとか食べなよ。御曹司っぽくないよ」
私は彼が御曹司だと知っていたら、畏まってしまって仲良くははなれなかったとは思う。
若い彼に社会人としての心得を説いたり、偉そうにしていたが彼は世界のトップ大学でビジネスを学んだ人だった⋯⋯。
彼とのやり取りを思い出せば思い出す程、恥ずかしい。
「ロブスターとか、うにがきらりは好きなの? じゃあ、今度一緒に食べに行こうよ」
朝から元気に笑って返してくる彼は、ことの重大さを理解しているのだろうか。
「うに丼は確かに好きだけど、ロブスターは食べたことがない。そうじゃなくて、もう林太郎とは会えないに決まってるでしょ。私はアイドルなんだよ」
私はとても恥ずかしいが、彼に訴えた。
私は三十路だが、アイドルだ。
当然、ファンのみんなが恋人で特定の人と疑われるようなことをしてはいけない。