恋と、涙と、先輩と

あっくんの“彼女”として。


…それも悪くはない。

それにわたしが彼女になったら、あっくんが他の女の子から告白されたらどうしようという心配事もなくなる。


「みくりちゃんなら大丈夫だって!」

「だって、2人は両想いなんだから」


――“両想い”。

あれだけ、あっくんには自分から告白しないと決めていたのに、その言葉に勝手に舞い上がってしまう。


その日、わたしはまったく授業に集中できなかった。

なぜなら、今まで以上にあっくんを意識しすぎてしまっていて、斜め前辺りに座るあっくんをずっと見つめていたから。


いつまでもこうして見ていられる。

だからこそ、だれかに取られるのだけは…いやだ。


それから、数日後。


その日はたまたま、あっくんと2人で日直だった。

最後に日誌を書いていたら、教室に残っているのはわたしたちだけ。