恋と、涙と、先輩と

そんなふうに、人のことまで考えられるなんて…。

やさしすぎるよ、先輩。


「…でも、あんなに心待ちにしていたあっくんとの夏祭りだったのに、…実はあんまり楽しくなかったんです」

「そうだったの?」

「はい…。あっくんが竹内先輩を探していて上の空だったということもあるかもしれませんが…」


そう言いながら、わたしは先輩に目を向ける。


「羽賀先輩といっしょにいたときのほうが楽しいって思ってたんです」


わたしはドキドキと鳴る胸にぎゅっと手を当てる。


「あのときは気づいていなかったんですけど…。たぶんわたし、いつの間にか先輩のこと…好きになってたみたいなんです」


やさしくて、頼り甲斐がある羽賀先輩。

あっくんのサッカー部の先輩というだけの関係だったけど――。


わたしの話を聞いてくれて、親身になって相談にも乗ってくれて。