恋と、涙と、先輩と

そういえば、初めてあっくんとのことを相談したとき――。


『藍原が敦のことを好きなのはわかってたからさ。だからこそ、藍原には幸せになってほしくて。そのためなら、俺はなんだってするよ』


ああ言っていた羽賀先輩。

自分の気持ちは隠して、羽賀先輩はわたしの幸せのことだけを考えてくれていたんだ。


「夏祭りも、少しの間だけど藍原と行けてうれしかった。あのときの俺、実はめちゃくちゃはしゃいでたから」


そんなふうに思ってくれていたのに、わたしはあっくんからの電話であっくんと合流することになって…。

羽賀先輩がそうするように言ってくれたとはいえ、わたしは…なんて失礼なことをしてしまったのだろう。


「…ごめんなさい。わたし、そうとは知らず…先輩を追い返すようなことして」

「気にすることないよ。俺は、藍原が敦と楽しくまわれてたらいいなって考えてたから」