恋と、涙と、先輩と

何事もなかったかのように戻れたらいいのだけれど――。


「それは無理だよ、あっくん」


わたしはせつなく微笑んだ。


「わたしの気持ちを伝えちゃった時点で、それはもう“幼なじみ”じゃないし…。それに、あっくんのこと全部許せたわけじゃないから」


だから、もうこれまでのわたしたちとは違う。


「…そっか。そうだよな…」


肩を下げ、明らかに落ち込んだ表情を見せるあっくん。

そんなあっくんに、わたしは笑ってみせた。


「“幼なじみ”は無理だけど、“友達”ならいいよ」


わたしがそう伝えると、涙をこらえながら顔を上げたあっくんがゆっくりとうなずいた。


こうして、わたしはあっくんと“友達”になった。


その日の放課後。


「藍原!」


1人で下校していると、後ろから羽賀先輩が駆け足でやってきた。