恋と、涙と、先輩と

小学3年生のときまでは、あっくんとお互いの親と行っていた夏祭りだけど、それ以降はそれぞれ仲のいい友達と行くようになり――。

毎年、あっくんと2人で行ってみたいなと思いつつも、わたしがそんな大胆にあっくんを誘えるわけがなかった。


でも、もしかしたら…。

今年は2人で行けるかもしれない。


夢にまで見た――あっくんとカップルになって。


しかし、わたしはすぐに現実へと引き戻されることになる。


「だけど、2組の女の子も近々敦くんに告白するって聞いたよ?」


……えっ。


「あ〜!それ、知ってる!背の高い吹奏楽部のコだよね?」

「そうそう。あたし、1年のとき同じクラスだったんだけど、入学式のときに敦くんに一目惚れしたみたいで、それからずっと好きなんだって」


入学式のときから好きというと――。