恋と、涙と、先輩と

「羽賀先輩、デタラメ言わないでくださいよ。それに、どうして羽賀先輩がそんなことを――」

「どうしてって、未来が俺に話してくれたからだよ」

「…え?」

「言ってなかったっけ?俺と未来、家が隣のいとこ同士なんだよ」


予想外の羽賀先輩の告白に、周りは騒然となる。


名字が違うからなんとも思っていなかったけど、羽賀先輩と竹内先輩がいとこ同士だったなんて。


「…そんな。まさか…」

「昔から俺たち仲いいんだよ。だから、敦の話も昨日未来から聞いて。そうだよな?未来」


先輩が廊下のほうを振り返ると、ドアの陰から竹内先輩が顔を出した。


「そうだよ。凛晴が今話したことは、全部本当」


そう言って、竹内先輩はわたしたちのところへやってくる。


「あたし、あのときちゃんと言ったよね?平野くんとは付き合えないって」