恋と、涙と、先輩と

わたしは心拍数が上がり、一瞬にして冷や汗がにじみ出た。

そのあとに続く言葉はきっと、『2年の間でハブられてる』。


わたしが同級生たちからハブられてることは、他学年の羽賀先輩は知らない。

ただでさえあっくんに振られて落ち込む弱いわたしのことを知られているというのに、これ以上羽賀先輩に惨めに思われたくない。


そのとき、羽賀先輩はその先輩たちの頭をコツンと軽く小突いた。


「お前らがっつきすぎなんだよー。残念ながら、彼女っていうのは嘘」

「え、嘘?」

「そう。藍原はかわいい後輩だから、俺がエスコートしてるだけ」

「な〜んだ、つまんねぇ」


そうして3年の先輩たちは羽賀先輩に手を振ると、人混みの中へと消えていった。


「じゃあ藍原、行こっか」

「は…はい!」


わたしは、斜め後ろから羽賀先輩の顔を見上げる。