恋と、涙と、先輩と

「…ううん、そんなことないよ」


本当はそうだけど、わたしがそう言ったら少なからず責任感じちゃうだろうから…。


「でも、敦くん突然でびっくりしただけじゃない?」

「もしかしたら、今度は敦くんから告ってくるかも♪」


わたしを励ましているつもりだろうか…。

だけど今のわたしには、この件にはなるべく触れてほしくなかった。


「わたし…、べつにもうなんとも思ってないから」


そうとは言ったって、長年想い続けていたこの初恋をすぐに諦められるわけがない。

でも今は、そう言っておかないと振られた自分が惨めに感じるから。


告白から3日たっても1週間たっても、あっくんとの気まずい関係は続いていた。

前まで何気ない話をしていた仲だったから、急にまったく話さなくなったわたしたちを見て、わたしがあっくんに告白して振られたらしいという噂はまたたく間に広まった。