恋と、涙と、先輩と

今さらだけど、あっくんの気持ちも確かめないで、噂だけを信じて先走ってしまった自分に後悔した。


明日から、どんな顔をして会えばいいのかわからない。


次の日。


「…ねぇ、お母さん。学校休んでもいい…?」


あっくんと会うのが気まずくて、わたしはダメ元でお母さんに聞いてみた。

でも、「なに言ってるの〜」と言って流され、わたしは仕方なく身支度をする。


…わかってる。

今日休んだからって、なんにも変わらないことくらい。


わかってるけど、あっくんと同じ教室でどうやって過ごしたらいいのだろうか。


重い足取りで学校に向かっている途中、ふと顔を上げると前のほうによく知る後ろ姿が見えた。


…あっくんだ。


わたしはなぜかとっさに物陰に隠れる。


いつもなら「おはよう」と言って後ろから近づいて、そのあといっしょに登校するだろう。