恋と、涙と、先輩と

それが現実。


「わ…わたしが職員室に日誌を届けてくるよ…!あっくんは部活に行ってきて!」


ついさっきまでの仲よし幼なじみの空気から一変。

あっくんと2人きりというこの状況から一刻も早く逃げ出したい。


わたしは急いでスクールバッグを肩にかけると、日誌を抱えて教室を飛び出した。


帰り道。

まるで魂が抜けてしまったかのように、呆然としながら歩いていた。


家に帰って、ベッドの上に倒れる。


『ごめん。みくりとは付き合えない』


あのときのあっくんの低い声が。

気まずそうな表情が。


いやでも目に焼き付いている。


こんなわたしが自分から告白したことにもびっくり。

だけど、それ以上にあっくんに振られたのが衝撃的で。


一瞬、あれって夢だったのかなとも思ったりするけど、それはただの現実逃避。