恋と、涙と、先輩と

まるで、固いもので頭を殴られたような――。


それくらい、今目の前で起こっている現実を受け止めきれなくて…頭がクラクラする。


『敦くんってみくりちゃんのことが好きらしいよ!』

『みくりちゃんが告ったら即オッケーだって〜』


あの言葉を励みに、わたしは控えめな自分を奮い立たせて、今回思いきって告白することにした。


だけどよくよく考えたら、だれがだれを好きかなんていう噂、毎日のように飛び交っている。

嘘か本当かは置いておいて、あっくんの話もそういった噂の1つにすぎない。


確証なんてなかったのに、わたしは思わず勝手に舞い上がってしまっていた。


ただ言えるのは――。


『そもそもみくりのこと、…幼なじみ以外に思ったことがない』


あっくんは、わたしのことが好きではなかった。