恋と、涙と、先輩と

きっと神様が、2人だけになる時間をつくってくれたに違いない。

わたしにはまるで、『告白するなら今』と背中を押されているような気がした。


「みくり、日誌書けた?」

「う…うん!」


緊張で声が上ずる。


「それじゃあ、それ持っていっしょに職員室の先生に――」

「その前に、ちょっといいかな…あっくん」


わたしが呼び止めると、サッカー部のエナメルバッグを肩にかけようとしたあっくんが振り返った。


「どうかした?」

「…わたし、あっくんに話したいことがあるの」


顔が徐々に熱くなって、心臓がバクバクと鳴る。


今までに感じたことのない緊張感に、この場から逃げ出してしまいたいくらい。

でも、ここまできたのなら…ちゃんとあっくんに伝えなきゃ。


「…あ、あっくん」


震える声。