「おはよう、みくり」

「あっくん!」


学校へ向かう途中、後ろから声をかけてきたのはわたしの幼なじみ。


名前は、平野敦(ひらのあつし)

わたしは幼いころから『あっくん』と呼んでいる。


わたし、藍原(あいはら)みくりは、近くの中学校に通う中学2年生。

ちなみに、あっくんと同じ2年1組。


わたしの家とあっくんの家は近いから、登校の際はいっしょになることがよくある。


同級生の男の子のより背が高くて、やさしくて――。

たまにわたしをからかってくることもあるけど、そんなあっくんにわたしは密かに恋心を抱いている。


いつから好きだったのかはわからない。

気づいたら、すでにわたしはあっくんに恋をしていた。


「みくり、どうした?」

「…ううん!なんでもないの!」


今日のあっくんもかっこいい。