ーーその翌日。
『おっはよーん!』
(……今考えれば恥ずかしいことだが)教室に入ると同時に、私は大声で挨拶する。
『ぅわー月野はいつもどーり馬鹿っぽいなぁ。疲れねーの?』
『……これで馬鹿じゃないの、殺意湧くよね……』
後ろから着いてきた男子たちの声を聞き流す。
朝の走り込みが終わった後なのだ。
私は普段、最初に登校・最後に下校が当たり前なので、これくらいで疲れることは基本なかった。
『あれ、りぃは今日、休み?』
女子で私以外に唯一陸上をやっている、町中 璃恋。
彼女の席は、今日は空いていた。
『あーなんかね、さっき西川先生に呼び出されてたよー』
へぇ…なんかあったのかな?
そう不思議に思った私は、


