最強総長は虐げられた姫が可愛くて仕方ないらしい。



「なんでそんな寒い格好してんの」


「……え、っと。忘れちゃって……」



なんとなく麗華に貸してしまったことは口にできなかった。
ああ、と無気力に呟いた朝光くん。


そう思えば突然、自身のジャージを脱ぎ始めたからビックリする。


「っえ、朝光くん?なに、して……」


「ちょっとまってて。俺の貸したげる」



「そんな、申し訳な……」


「俺2分くらいしかやってないから汗かいてないし。はい」



上下両方貸されたジャージ。自分が''黒羽朝光''の所有物を持っていることに恐れ多さを感じているからか、ずっしりと重く感じる。



「でも、私がその、朝光くんのを着るなんておこがましすぎて、」


周りの人の視線がこっちに集まってきているのを感じて呂律が回らなくなってくる。