少し不貞腐れたような相川くんを小馬鹿にしている朝光くんが目に入るけど、寒すぎてあんまり頭に入ってこない。
でも次は私が試合をする番だから、立ち上がらないといけない。
言うことを聞かない体を無理やり動かして立つと全身で寒さを感じて震えが止まらなくなる。
それでも最大限寒くならないように自分の腕を回して寒さを緩和させた。
そんな私と目が合ってほくそ笑んだ麗華。
渡してしまったものはしょうがないとわかっていても寒いものは寒い。
コートに1人で向かっていたとき、後ろから足音が聞こえてきた。
「咲良、」
呼び止められてびっくりしながらゆっくり振り返る。
「……え、黒羽さ、朝光くん?」



