そのとき、朝光くんが相川くんに何かを素早く耳打ちした。
一瞬固まって観客席を見た凪くん。
すぐにしまった、と言いたげな表情で振り返ったけど。
朝光くんはもうすでに横から回り込んで長い足でシュートを決めていた。
「キャーー!!!」
「朝光くんナイス!!」
男子からも女子からも大きな歓声が巻き上がる。
その瞬間に試合終了のホイッスルが鳴り響いて、ワールドカップのようになっていたグラウンドは終了してしまった。
一気に周りの熱も覚めて段々熱気も失われていく。
途端に周りに人もいなくなって寒さも増してきた。
「朝光、今のは反則だろ」
「ごーりてきって言ってほしー」



