「絶対寒いよね。麗華なのにジャージないとか」
「もー!バカにしないで!」
麗華たちの甲高い笑い声で更衣室がいっぱいになる。
じん、と麗華に殴られた頬が疼いた気がして、今はもう痛くもない頬をさすってしまう。
「咲良……、」
「大丈夫」
ななちゃんが横から心配そうに覗き込んでくるから、にこ、と笑って見せた。
それも束の間、
「ねえお姉ちゃん。ジャージ貸してくれない?」
口角を上げた麗華がこっちに近づいてきた。
昨日わたしを殴った時とは違うきゅるん、とした目。
睨まれているわけでは決してないのに、なぜか怖くてたまらなかった。
「……、ちょっと麗華。あんたねぇ」
怖くて何も言えずにいる私の前に出てきてくれたのはななちゃん。



