その声が聞こえた瞬間、背筋が凍った。
入ってきたのは麗華。
クラスで人気者の麗華だから、クラスのみんなは扉の方へ向かっていく。
「麗華おはよ!一限体育だよー。ダルくなーい?」
「えー!待って麗華ジャージ忘れちゃったかも……」
大きな声で喋っているから否が応でも耳に入ってくる会話。
なんてことない会話なのに、昨日あったことを思い出すだけで手が震えだしてしまう。
「……咲良?大丈夫?」
「っ、うん……。大丈夫。更衣室行こう」
できるだけ聞かないよう、見ないようにしてジャージを手に持って更衣室へ向かう。
「ねえ、咲良。また麗華になんかされたの?」
固く口を結んで押し黙った私を見かねて声をかけてくれたななちゃん。



