最強総長は虐げられた姫が可愛くて仕方ないらしい。



私はもう二度と幸せを望まないと決めたから。


殴られる日々がお似合いなのかもしれない。


「だからその……、本当にお世話になりました」


ぺこ、と頭を下げて荷物をまとめようとすると、


「ねー、咲良さ」


「……はい?」


がしっと私の腕を掴んでこっちを見つめてくる彼。

その長いまつ毛は太陽に反射するほど長い。


肌なんて本当にシルクのように綺麗。


「帰りたく、ないでしょ」


「……え、」


びっくりした。


心の奥にある図星をつかれてしまったから。


黒羽さんはそんな私に構わず続けた。

「俺みたいに裏の世界に生きてると分かんだよねー、ちょっとの表情の違いで。刺そうしてくるやつとかもいるから」