……総長と謳われているこの人に殴られてしまったらひとたまりもないだろう。
「っ、あ……ごめ、」
謝ろうとするけど喉が震えて声すら出てこない。
そのことに焦ってしまってどんどん汗が出てくる悪循環。
呼吸も荒くなってきて涙も滲んできたとき、
「咲良、」
「は、い……」
想定の何倍も優しい響きで名前を呼ばれた。
「俺は咲良が嘘ついたことに怒ってないよ。なにもしないから、そんな怯えんな」
そういうと黒羽くんの長い腕が伸びてきて私の頭にぽん、と置かれた。
「ね、怖くない。俺はちょっと嘘つかれて悲しかったけど」
全然悲しそうじゃなさそうなほどの棒読みだったけど、



