「帰る場所、ないって言ってたじゃん」
「う……」
昨日、意識がなくなりかけながら言ったことが仇となったみたい。
でも1晩泊めてもらったのにここで帰る家がないとか言ったらきっと困らせちゃうよね。
「えーっと、あ、ありますよ!昨日は言葉のあやというか、」
「……ほんとは?」
「……えっと、はい。ないです」
王様の瞳の前で嘘をつくこともできなくてそう答えるしかなかった私の弱い口。
じぃっと音が出てくるくらいに私を見つめてくる黒羽くん。
へ、蛇に睨まれた蛙ってこんな気持ちなのかな……。
嘘をついたことにどんな制裁が下るの考えると冷や汗が止まらない。
……お父さんや麗華みたいに、殴ってくるのかも。
昨日麗華に殴られた頭がまた疼いた気がして小さく震えてしまう。



