「麗華、誕生日おめでとう!」

「見てこれ!麗華に似合うと思ってほら、新しいお洋服!」


「うわぁ!パパ、ママありがとうっ!2人とも、大好きだよっ!」


いつも家にあったのは、私を除いた家族の微笑ましいやりとり。


この日だってそう。


私と麗華は双子だから誕生日は一緒のはずなのに、お母さんもお父さんも、私の存在は忘れている様子だった。



でも胸の痛みには気付かないふり。

産まれた時からそうだったから、もう痛みをこらえるのには慣れてしまった。


加えて、


「咲良、お前はこんな問題もできないのか」