最強総長は虐げられた姫が可愛くて仕方ないらしい。



日頃の感謝の気持ちを込めて作ったマフラー。これを作るための長い道のりを思い出ながらギュッと胸に引き寄せる。


「ほら、もうそろそろ家帰った方がいいんじゃない?」


「わ、もうあと集合時間までちょっとだ」


ここまで歩いて来たから間に合わないかもしれない。慌てて持ってきた物をまとめてななちゃんのお家を出る。

「ななちゃん本当にありがとねー!」


「ちゃんと渡してきなよー」


走りながら外に出ると灰色の曇り空に北風がひゅうっと通り抜けていったから冬ということを感じさせられて。


肌に当たる冷たい感触と白い息も、いつもは寒くてうんざりするのに今日だけはすごく輝いて見える。


きっと、弘樹くんならよろこんでくれるよね。

期待に胸を踊らせて駆け出した。