「ごめんなさい、行きません」
「そういわずにさー」
「やめてくださいっ」
無理矢理腕を掴まれて背筋がゾクリと粟立つ。
必死に抵抗するけど力の差があって引き離すことはできない。
「やだっ!やめ、」
「いいっていいって!絶対よくなるから!」
なにがよくなるんだろう。
私は今強引に連れてかれそうでこんなに嫌なのに。こういうとき、どうするんだっけ……。
「だれっ、」
「おっきい声出しちゃダメだっつーの!」
大きな声で助けを呼ぼうとしても口を塞がれてしまった。大きな手で鼻まで塞がれたから息もろくにできない。
男の指の隙間からなんとか息をするけど、こんなに少ない酸素だと気を失うのもそう遠くないだろう。



