嫌な想像ばかりが頭を駆け巡っている私に落とされたのは、
ちゅ、
「え……」
軽い1つのキスだった。
じん……、と熱を持って甘く痺れるそこ。
思わず目を開けると、とてつもなく優しい顔をした朝光くんがいて心臓がドクンと跳ねる。
「俺が好きなのは咲良だよ」
「……え?」
「だーかーらー、俺が好きなのはお前。鈴木咲良。分かった?」
聞き間違い、の可能性はなかったみたい。
2回も、しかも2回目はフルネームで言われてさすがに分かってしまった。
途端に心に湧き上がる疑問と喜び。
変な感情に自分でもよく分からない涙が出てくる。
「っう〜」
「はは、おいで咲良」
広場に腰を落として、座った朝光くんが手を広げてくれるから、迷わずその胸の中に飛び込む。



