お互い無言のまま、少しだけ歩いたところは、
「わあ、綺麗……」
まだ散っていない桜がたくさん残っている広場があった。
夜桜、なんてみたことがなかったから思わず目を細めて見とれてしまう。
「ね、咲良。なんで俺と契約やめよなんて書いたの」
「っあ、それなんだけど私、朝光くんに言いたいことがあって……」
「うん」
黙ってしまった私を優しく覗き込んでくる2つの漆黒の瞳。
あーもう出てきて。私の勇気。
「……好き、です……。朝光くんが麗華のことを好きでも、好きです」
ぎゅっと目をつぶったまま言い切った。
相手の反応を見るのがなんだか怖くて、目を開けることができない。
麗華の方が好きだから、よってくんな。って言われたりとか、
気持ち悪がられたりするかな。



