わぁぁっ!
総長なんていう偉い立場の人になんてことをさせてるの、私!
「あの、傘ありがとうございます。でも黒羽……さん?が濡れてしまうので大丈夫です」
黒羽くんと喋ったことはなかったから、くん呼びをして怒られても嫌だし「さん」をつけて呼ぶ。
「んー、じゃあ言い方変えよ。俺が見てお前は大丈夫じゃなかった。だから、大丈夫じゃない」
俺が言うことは正しいみたいな強引な言い方。
それでも人の頂点に立つ人の覇気というか、重圧に押されて何も言い返すことができない。
「……はい」
「はは、いいこ」
水でびしょ濡れになった髪をくしゃ、と撫でられて変な気分になる。
「クラスにいる子だよね?なんだっけ名前」
「えっと、鈴木咲良、です」
「ん。知ってると思うけど俺は黒羽朝光ね。さくらが心配だから家まで送ってく」



