「あ……、弘樹くん」
弘樹くんが走ってやってくるのが見えた。
……そうだ、私返事をしないといけないんだった。
「凪くん、ちょっと行ってくるね」
「……大丈夫?」
「うん」
心配そうにしてる凪くんに笑いかけてから、弘樹くんの方へ向かう。
「咲良、もうちょっと向こうに行こう。たくさんいるところで目立つと嫌だからさ」
「うん、そうだね」
さりげなく手を引かれて拒否する隙もなかった。
少しだけ早歩きで弘樹くんに着いていく。
体感でかなりの距離を歩いて、ついたところは時計の裏。
さっきの騒がしさとは裏腹に、しーんと静まり返っているそこ。
明かりも街頭が1本だけ。
人気なんかもちろんなくて。
「さ、咲良。答えを聞かせてよ」



