鈍い痛みに追いつくことができない。
「咲良が泣きながらこれを俺に渡してきて、」
別の奴が咲良のフリをして書いた、という甘い可能性は凪の言葉で絶たれる。
何度も何度も手紙を読んでいると、なんだか妙に頭が落ち着いてきた。
「……凪、明日暇?」
「暇だけど」
「久しぶりに隣町行かね?幹部連れてって、族1個くらい潰しに行こーぜ」
俺の瞳から光が消えていく感覚。
1番好きだった咲良がいなくなったから、それまで1番好きだったケンカを思い出して、頭を切り替えようとする。
目の前にはもどかしそうに顔を歪めた凪。
「……お前はそれでいーのかよ」
「んー、多分?」
フツーの男は死ぬほど落ち込むのかもしれない。
でも好きな子ができたのなんて今までなかったから、かな。



