side朝光



「俺、あんたとお見合いする気なんかねーから」


「……っ、朝光様、」


「あと俺のこと仕事風に装って呼びつけんの辞めてくれる?」



目の前にいるのは真っ赤な着物に身を包んだ女。


前にも俺に''好意''があるやらなんやら言ってきたこいつ。



今日も商談があると言われて、咲良と行くはずだった創立祭を断っわてきたのに。


着いてしばらく交渉をしていると、突然''莉亜''とかいう女がお茶を持って部屋に入ってきた。



「おお、せっかくだから朝光くんと若いもの同士で過ごしなさい」


は?と声が出そうになった。


もうあと1時間ほどで商談も終わるはずだったのに、なんで俺がこの女といい雰囲気にさせられそうになってんだよ。