それでもどうしようもないくらい朝光くんが好きなんだから、私の心はとっくにあの黒い瞳にやられてしまったみたい。
次から次へと涙が溢れて止まらない。
暗い部屋が怖いのはもちろん、朝光くんに''価値がない''と思われていたかもしれないことが1番悲しかった。
ぎゅう、と朝光くんがくれたドレスの端を握りしめると、ほんのり花の香りがして。
それだけで少し落ち着いたけど、怖さと悲しさで涙は止まらず。
どうしようかと思っていたとき……
ガチャ、
「咲良!」
さっきとは違って勢いよく扉が開いて、私を呼ぶ声が聞こえた。
鮮明に差し込んでくる光。
思わず目を細めたから、誰に名前を呼ばれたのか分からない、けど。
「っ、朝光くん……?」
来てくれたなら、この人がいいって思える人の名前を呼んで、扉の方へ歩いていく。
逆行で人影しか見えないけど、あの漆黒の瞳を、少しだけ細めて名前を呼ばれていると思うと、無理やり足を動かすことができた。
やっと潤んだ視界にその人の顔が見えた、けど。



