そう、逸らしてしまう。
「ふーん。ね、咲良、1つお願いがあるんだけど」
頬杖をつきながら、面白そうに目をすうっと細めた朝光くん。
「今週末のパーティー、俺と時計の下で踊ってくれませんか?」
急な敬語に熱かった頬がさらに熱くなった。
絶対私に敬語を使うべきじゃない人が敬語を使っている。
目からもう、敬語を本気で使う気がないのは伝わってくるけど、形式は絵本に出てくる王子様のような丁寧な言い方。
それが彼の闇の雰囲気と相対して、ぞくりとするほどの妖艶さを作り出している。
「……はい、喜んで」
こんなの、断るはずもないし断れるわけもない。
ていうか、時計の下ってあのななちゃんの言ってた''純金の時計の下でダンスを踊ったカップルは永遠に結ばれる''っていう……?



