「ん、じゃああとでね。咲良」
頭を撫でられて、広い背中が遠ざかっていくのを見送る。
「咲良さま」と、促されて目の前の女の人が案内してくれる方向に足を進めた。
ふと廊下を見ると、今朝生けられたんじゃないかってくらい鮮やかに咲いている赤や黄色の花だったり。
海外の美術館に飾られてるって言われても納得できる絵だったり。
ぬかりなく整備された綺麗な建物の中を見ながら考える。
多分だけどここって高級レストラン、だよね。
ネットで見たことがあるような気がする。
五つ星がついていて、その分値段も目玉が飛び出るくらい高くて。
私が行くなんて夢のまた夢だなぁ、と思っていた場所。
こ、こんなところに連れてきてもらえたのかな。



