こんな街中で倒れるわけにも行かないから、やめておけという脳の神経の警告を無視してひたすらに歩く。
とりあえず、ビジネスホテルにつければ休めるはず……。
ポケットからスマホを取り出すとホテルまでの道のりはあと2km。
いつも学校でやっている持久走が1kmだから、あんなに辛い持久走を2回やるのと一緒だ。
こんな傷を負った体じゃ到底無理だろう。
どこか休めるところに……。
周りを見渡すと視界の端に昔よく行っていた公園が映る。さびれた滑り台とブランコ、ベンチがあるだけの寂しい公園。
もう時間が遅いこともあるんだろう。
子供たちは誰もいなかった。
懐かしいなぁ。よくここでおばあちゃんと遊んだっけ。
少しだけ、少しだけ休もう。



