「咲良、名前呼んで」




「朝、光くん、っう、あさひ、くん」


キスの合間合間で、命令された通りに名前を呼び続ける。
声に出すと、朝光くんのことしか考えられなくて、この世界には私と朝光くんしかいないような錯覚に陥った。


体にはこれ以上ないほどの熱が回って。
苦しいはずなのにどうしようもなく心は満たされていて。



「ね、命令。もっと俺を求めて」


━━━━━━命令されなくても。


たぶん私は、既に朝光くんのことを求めてる。